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藤子F不二雄・短命作品特集

みなさま、ノクターンノベルズ様アルファポリス様などで連載中の新作、お読みいただけたでしょうか。
毎週末には更新しているのですが、今日で四本ほどをうpしたので、ちょっと繰り返しお知らせ記事を書くことにしました。

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それともう一つ。
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……さて、こっからは駄話。

藤子F不二雄・短命作品特集!!

ここしばらく、藤子F不二雄全集で短命作品を読み直しています。
『ドビンソン漂流記』、『ベラボー』、『チンタラ神ちゃん』、『仙べえ』など。
あまり日の当たる機会のないこれら作品について、ちょっと語ってみたいと思い、ツイッターでもつらつら書いたのですが、ここでまとめてみます。
以下、作品毎にコメントしていきます。

『ドビンソン漂流記』


十年前に読んだ時は失敗作との印象が強かった作品です。
上の作品はいずれも一年ほどの短命で連載が終わっているので、いずれも大成功と言い難いのは確か。
ことに本作の主人公、ドビンソンは「ドビン」にちなみ、口をやかんのようにして蒸気を発する能力(正直、見た目に可愛くない)、「カサカ」と叫んで相手をひっくり返す能力が早々に姿を消すなど、順調に言っているとは言い難い印象を受けました。

また、ガキ大将キャラが一定せず、その場その場でキャラが変わっていた印象があるのですが、今回見直すと「ブタオコゼ」という(ブタゴリラよりひでえ……)キャラが一応、パーマネントなガキ大将キャラとして登場しています。
ただ、初期や後期にそれぞれ一回だけ登場した(別にブタオコゼを出せばいいのに、何故か別な)ガキ大将キャラがおり、やっぱりその辺、あんまり設定を練ってなかったのではと感じました。

もう一つ、ドビンソンのキャラが生意気で、少々とっつきにくい印象を受けます。
宇宙人が地球を見て「文明レベルが低い」と嘲笑するのはF作品のお約束で、むしろそこも見せ場(おそらくF自身がのび太に自己投影するのと同時に、ドロンパにも自己投影していたように、高みに立ってドヤる快感を得るのも、実は隠れたF作品の楽しみ方の一つだとぼくは考えます)のはずが、キャラデザのせいか何だかえぐみを感じさせるのです。

もっとも、読んでいくとなどなかなか楽しめるものであり、小生意気なドビンソンが両親を恋しがる様が彼を憎めないキャラクターにしている。
言わば本作はドロンパが主人公になってしまった作品なのですね。

また、彼は母星に帰ることを第一の目的にしているわけで、マサル(のび太役)との別れがいつか訪れることが前提されており、それが本作に深みを与えています(生意気なドビンソンとケンカをするが、母星へ帰還しようとすると一転して別れを惜しむなど)。

もう一つ、本作のやや「上級者向け」な点は、本作が『キテレツ大百科』の前作に位置するものであるというところにあるように思われます。
本作も『キテレツ』も、実は農協の雑誌に掲載されていた作品で、恐らく普通の雑誌よりも遥かに作者の自由度は高かったはず。そのため、『ドラえもん』では省かれている、「ひみつ道具」を製作する過程そのものが両作では見せ場として描かれたわけなのです。
ドビンソンの超能力はそのために後退し、むしろ「優れた文明人が、地球で何とかひみつ道具を作る」ことが本作の主眼となっていくのです。その意味でブタオコゼはブタゴリラのご先祖であり、両者とも影が薄い(原作のブタゴリラって、全然目立ちませんよね)のは、やはりドビンソンやキテレツの意識の高さ(頭のいい子供であること)が理由と言えるでしょう。

『ベラボー』

これも生意気な宇宙人(亀)が地球に取り残されるという内容。
『ドビンソン』とイメージが被るのだけど、主人公のベラボーが故郷へ帰る意志を見せず、専ら地下都市「ベラボータウン」での生活が描かれるところがポイントです。
これは『大長編ドラえもん』とか『オバQ』でも描かれる、子供たちだけの王国ネタ、というのをメインテーマにした作品であり、(『ドビンソン』などに比べ)ガキ大将キャラなどの比重も大変高いのに、そうした脇キャラがしのだひでお氏の手によって描かれているせいで、作品全体が独特のムードを醸し出しています。

ベラボー自身、生意気でやはり初期話数ではとっつきにくさを感じたキャラなのですが、そのくせ一郎(のび太役)にぞっこんで、常にベラボータウンの政治において、彼の味方をするところがポイント。
また、一郎の父親も進歩派を気取りながら子供に理解のない鼻持ちならないインテリとして描かれ(母親はおおらかという普段のF作品とは真逆の布陣)それがまた大人へのカウンターとしてのベラボータウン(=子供の大人からの独立)を重要なものにしています。

そんな作品世界であるため、最終話も特にベラボーが母星に帰るでもなく、普通に終わっています。これものどかでいいのですが、ベラボータウン、つまり少年時代の象徴がなくなる最終回も見たかった気はします。

『チンタラ神ちゃん』

一般ご家庭にマレビトがやってくる、というのが藤子作品の定番であり、オバケ、忍者、未来のロボット、王様一家と実に様々な連中が、今までサラリーマン家庭と生活を共にしてきました。
ところが本作でやってくる(もっとも、家庭に居座るわけではありません)のは神様。もう、それだけで面白くないはずがないのに、正直、初読の時も今回読み返しても、「今一」という印象。

本作、ネームが藤子A、作画がFと言われている共同作品なのですが、見ると神様三人組以外はAの手によって描かれており、正直これがF作品扱いである理由がさっぱりわかりません(詳しい人によると、ネーム自体が共作らしいです)。

本作は信者を増やすこと、金銭を得ることが目的になっていて、それなりに面白く転がりそうなのに、どうもそうならないのです。
神ちゃん以外の神様は貧乏神と福の神ですが、福の神は小判を出したり物品を新品に変える能力があり、(小判は限度額があると最後期に語られるものの)こんな能力を持った連中が貧乏で信者もいないことの理由がさっぱりわかりません。
福の神の与えた福が、貧乏神によってリセットされるというのはくすぐりでかかれるのですが、普通のF作品ならそこをメインに据え、ロジカルなストーリー展開をしそうなものです。つまりA作品の弾けっぷりを、皮肉にもFのタッチが抑制したという食いあわせの悪さが本作の本質なのではないでしょうか。
ちなみに本作も最終回らしい最終回はありません。

――と、今回はこんなところで。
また続けたいと思いますので、よろしければまた覗きに来てください。

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