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スペシャル駄話『名探偵荒馬宗介』第二回

どうも、予告通りの更新でございます。
ちなみに
無題
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さて、前回に引き続き、『名探偵荒馬宗介』についてご紹介していきましょう。
(お読みになっていない方は、前回からどうぞ→http://hiyokkokurabu.blog.2nt.com/blog-entry-80.html
今回は肝心の推理要素について。
本作の印象を、ぼくは前回、大変アダルトに感じたと書きましたが、実は第一話(今回の復刻版でも第一話として扱われた、1978年四月号掲載分)の推理がめちゃくちゃに難しく、そこもアダルトであるとの印象を持つのに一役買っていました。
何しろ今回の再読ですら、正直わけが分からなかったほど。時刻表トリックならぬ路線図トリックとでも称するべきもので、今から思うと著者の趣味(旅行とかが好きなのかなと思わせる描写が随所に登場します)が生かされていたのかな、という気がします。

ところが、これ以降はそれほどでもなくなります。非道いのが二話目で、敵が旅行中の宗介を変装して張り込むが、温泉で(変装前と)同じタオルを使っていたことから正体がばれ、お縄……って、本当にただそれだけのお話。
いや、それより問題は変装に気づいた宗介がこの男に殴りかかるのですが、この時点では相手は「単に変装している人」だぞ! のくせ、最後にこの男、刑務所に入っているし。
一応、その男は怪盗の手下であり、宗介の原稿を盗もうとしていたのですが、(宗介はそんなことは分かっていなかったはずだし)あくまで未遂であり、そんなことでムショにぶち込まれるかなあ。まあ、余罪があったと考えればいいんでしょうが。
いえ、問題はそもそも、宗介の原稿が狙われた理由。
それは宗介がライバルの怪盗・矢名完次をモデルにして、笑いものにした漫画を描いていたから。ブチ切れた矢名が子分に原稿を盗ませようと宗介をつけさせて……というのが、話の大筋なのです。
おい荒馬宗介、お前の方こそ名誉棄損だろう。『石に泳ぐ魚』事件を知らないのか!?

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■この人、この時点では単に「変装してるヘンな人」です。

それ以降もとにかくお話のオチとして、「被害者本人の狂言」「共犯者がいた」というものが多すぎる感があります。一応、クイズライター的な人がブレーンになっているのですけどねえ。
また、推理そのものがそうしたクイズ的というか、「犯人の差し出した暗号文を解く」という(いささか安直な)パターンが多すぎです。
逆に上のお話でも変装の方法が妙にリアルに描かれており、そうした探偵もの的ディティールや、メインではなくちょっとしたサブの謎解きなどが随所にちりばめられており、そこは著者のサービス精神が感じられます。

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■怪盗矢名完治を追跡する金太郎君と桃子ちゃん。
ぼくならこのルックスのオヤジを尾行する度胸、ありません。


そうそう、上にも書いたように、荒馬宗介には矢名完次といった敵怪盗も設定されておりました。
こうした、ことに子供向けの探偵ものといえば怪盗こそが作品の華。『カゲマン』でもカゲマン、シャドーマンを差し置いて19面相こそが一番人気であったといいます。
ところが――どうしたことか、怪盗は思ったほどには前面に出てきません。上にも「狂言」と書きましたが、怪盗の名を騙った一般人の犯行、というパターンが異常に目立つのです。中には別に矢名完次本人で別にいいと思えるのに、最後の最後で一般人の変装というオチをつけたのもありました。
また、そもそも(やはり当初のトリックが難しいとの声が多かったからでしょうが)中期以降は怪盗のほとんど無意味な珍奇なだけの愉快犯的犯行、というパターンが目立ち、これもどうかと思いました。

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■切手を盗むため、刑事を眠らせるために出てきたのですが……何故にこの格好?
しかし「福水」って何? 妙に飲んでみたかった思い出。


さて、年度が『四年の学習』から『五年の学習』に移ると、矢名は特に決着の描かれることもないままに姿を消し、いきなり九盗太郎(いちじくとうたろう)という怪盗が登場します。

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■「一字で九だからいちじくと読む」というのは作者のお気に入りのネタなのか、別な漫画では同名の少年キャラが登場したこともあります。

しかし、まあ、やることは別段変わりなし。世界的大怪盗のクセに的屋のオヤジみたいな顔をしている矢名に比べると、「スーパーマンみたいな格好をした、単なる子供向け漫画の怪盗」であり、面白味はありません(矢名はアロハなどを着ていることが多いのですが、イメージとして宗介に語りかける(つまり現実の矢名ではない)シーンでのみスーパーマン的スタイルで現れるという、妙なこだわりが見られます)。
また、『五年の学習』では一時期、変人科学者の只野天災がセミレギュラーとして活躍、『六年の学習』になると「その回だけのゲストキャラである妙なオヤジが一コマ目から登場し、主役的に活躍する」というパターンが増えてきました。
こうした、「漫画家が作品世界に飽きてしまい、気づくと延々別の話を描いている、主人公たちはちらっと顔見せするだけになってしまう」といった展開、90年代初期辺りまではたまに見たパターンなのですが、初志を貫徹できないのはどうかと感じ、当時はあまり好印象がなかったのですが(……って、そんなことを考えていたんだから、嫌なガキだね)。
作品後期はそうした妙なオヤジが怪盗の子分、或いは変装であるとだけ説明され、怪盗の姿は一切登場しない話が続き、結局「九」との決着も、ラストまでつけられないままというアンチクライマックス。
しかし、まあ、そうした作品カラーに対する評価は置くとして、やはり読み直してみると、こうした「ヘンなオヤジ」が縦横無尽に活躍する、ナンセンス、シュールギャグこそがこの作者の持ち味であったのではないかと、つくづく思われます。
主人公側にも驚木桃太郎警部というメグレ警部役がおり、「ヘンなおじさん」キャラとして縦横無尽の活躍をしていました。

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■この人。驚木音頭は覚えている人も多いでしょう。

つまり本作は、クールな「青年」を主役に据えて探偵漫画の体裁を取りつつ、ヘンな「オヤジ」が真の主役として活躍する、シュールギャグ漫画であったのです。
さて、「青年」、「オヤジ」で基本、本作のファクターは出揃っているのですが、ぼくとしてはどういうわけか、(決してメインを張ることのなかった)本作の女性陣こそが印象に残っています。次週辺り、「荒馬宗介の華麗なる女性遍歴(?)」について語ってみましょう。
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